
インスタレーション, 展示会, ミラノサローネ, installation,milan design week,grand seiko

インスタレーション, 展示会, ミラノサローネ, installation,milan design week,grand seiko
PULSE OF TIME
GRAND SEIKO | MILAN DESIGN WEEK 2026
時間を解く
GRAND SEIKOが掲げるブランドフィロソフィー「THE NATURE OF TIME」の哲学を宿す繊細なダイヤル(文字盤)の多層性を、空間へと拡張するインスタレーション。
時計のダイヤルという、小さな宇宙そこに散りばめられた、光の屈折と奥行きを表現する。
時間の感じ方は、人によって異なる。時計が刻む規則的な時間と、私たちが感じる、伸び縮みする時間。これらの間に存在する、目に見えない「時の脈」を、光とともに空間に描き出したいと考えた。「時間の軌跡」が解け、息づく。床から天井へと立ち上がる、いくつもの光の層。そこへ差し込む不規則な光は、淡い余韻を残しながら移ろい、見る位置や距離によって、異なる表情を見せる。四季の移ろい、一日の循環、時の流れが、立ち上がる。
絶え間なく続く時間の波に、自分自身が取り込まれていくように、光の層の奥へと、意識がおぼろげに引き込まれていく。
[デザイナーコメント]
グランドセイコーのウォッチを初めて手にしたとき、2種類の光の煌めきが強く印象に残りました。ひとつは、秒針の動きに沿って走る直線的な光。もうひとつは、身体の動きに呼応するように現れるダイヤル(文字盤)表面の柔らかな光です。これらの輝きと、繊細で多層的な奥行きを、光によって空間の中に表現したいと考えました。ダイヤルの上に重なる繊細なレイヤーが生み出す奥行きのように、見る人は、立ち並ぶ光の層の奥へと導かれていきます。近づき、また一歩引いて眺めながら、いつしか自らの遠い記憶を解いていくのかもしれません。
本作のパーツには、3Dプリンティングによって出力された植物由来の酢酸セルロース樹脂を用いています。文字盤に刻まれた略字を手がかりに、規則的に配置された12箇所のポイントを介しながら、繰り返し繰り返し、決められた造形を描き続けます。今回の最終版のパーツ制作のためにかけられた出力時間は、約2500分相当の分量。こうして生まれたパーツもまた、「時間の軌跡」と言えます。
本来、積層して固めることを目的として用いられることの多い3Dプリンティング技術ですが、本作では出力時間や速度、樹脂の吐出量を調整することで、層が完全には接着せず、解(ほど)けるように連なっていく状態をつくり出しました。これらのパーツは床から天井へと立ち上がり、空間の中にいくつもの光の層を生み出します。加えて、インスタレーション内には、光の彩りや明暗を通して「一日の巡り」「季節の移ろい」、そして時折燦然と光る「記憶の断片」を重ねています。
ダイヤルから空間へと拡張された宇宙は、繊細な輝きとともに、見る角度や距離によって異なる表情を見せ、やがて息づくように立ち現れてきます。その微かな変化にふと意識を向けながら、移ろう「光の脈」を眺める作品です。
Venue|Galleria d’arte moderna “Il Castello”
Organizer|Grand Seiko Europe S.A.S.
Producer | Toshiki Kiriyama (TRUNK LTD.)
Spatial design | Hikaru Mori
PULSE OF TIME
Installation design | Atsushi Shindo
Lighting, Technical Direction | Tomohiro Akagawa (A-KAK)
3D printing, Construction | Koshin planning
Text | Minami Shindo
Photo | Daisuke Ohki
Photo (Process) | Atsushi Shindo













